読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

問い続ける姿勢

読書・文学

昨日、株式会社「はてな」からメールをいただきました。

この日記を「はてなダイアリー」から「はてなブログ」に移行して

一年が経過したことをそのメールで知りました。早いものですね…。

これからも、自らの人生の軌跡を書き残していきたいと思っています。

 

さて、NHKテキストの100分de名著

『永遠平和のために~カント』を読了しました。

テキストの執筆者は、萱野稔人津田塾大学教授です。

テキストを読みながら付箋を貼った個所のいくつかを、

次のとおり抜き出してみました。

 

・カントにとって大事なのは「なぜ戦争が起こるか」ではなく、

 「どうすれば戦争が起きなくなるか」。

 この問いの転換こそが「永遠平和のために」を読み解く際の重要な鍵となる。

・カントはルール(法)と、それが守られる社会の仕組みづくりこそが

 社会を平和へと導くと考えた。

コスモポリタン的な考えを持つ最近の知識人のなかには、

 「民族や言語にこだわっているカントは古い」と批判する人も多いが、

 世界国家と言う概念のなかに「善意によって隠された大きな抑圧」があることに

 彼らは気づいていない。

・カントは、神が意図をもって世界をつくったと言えるほど

 人間は理性が発達していないから、

 そうした理性を超えたものを持ちだすべきではない、と考えていた。

 理性の限界を超えた、わからないものはひとまず置いて、

 理性で解明できることだけを考えよう。

 形而上学的なこと(経験や感覚を超えたもの)を考えるよりも、

 現実の仕組みを理解することに私たちは知性を働かせるべき、

 というのがカント哲学スタンス。

・カントは一般にいわれるような道徳主義者や理想主義者ではない。

 カントの道徳哲学や平和論の根底にあるのは、

 人間愛ではなく、むしろ形式愛。道徳や法のもつ形式への愛。

・人間は理想のためにすら戦争をする。

 それを考えるなら、平和を少しでも確たるものにするためには、

 理想論をこえた哲学が不可欠。それがあってはじめて私たちは、

 人間愛についてと同様、理想論の甘美さに身をゆだねることが許される。

 

カントといえば、「純粋理性批判」など難解な著書で有名なこともあって、

私はこれまで、読んでみようという気持ちにさえなりませんでした。

ところが、このテキストは、カントの哲学や思想が分かりやすく解説されていて、

一気にその存在が身近になったように思います。

また、哲学的な視点から戦争や平和について考えることの意味が、

番組の視聴やテキストの読了によって、少し理解できた気がします。

萱野教授が番組HPで言われているように、戦争を過去のものとせず、

常に「戦争とは何か」「平和とは何か」と問い続ける姿勢が大切なのですね…。

 

カント『永遠平和のために』 2016年8月 (100分 de 名著)

カント『永遠平和のために』 2016年8月 (100分 de 名著)