日銀の黒田総裁が今月26日に、
大阪経済4団体共催懇談会において行われた
『金融緩和の「総括的な検証」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」』
という挨拶を読みました。
「総括的な検証」では、「量的・質的金融緩和」導入以降の
3年間の経済・物価動向と政策効果についての分析が、
次の4つのポイントにまとめられていました。
第一のポイントは、「質的・量的金融緩和」導入以降の3年間で、
わが国の経済・物価、金融情勢は大きく改善し、デフレではなくなったこと。
第二のポイントは、経済・物価の好転にもかかわらず、
2%の「物価安定の目標」は実現できていないこと。
第三のポイントは、日銀は、
「質的・量的金融緩和」のもとでの大規模な国債買い入れと、
本年1月に導入したマイナス金利政策の組み合わせによって、
イールドカーブ全体にわたって金利水準を引き下げることができたこと。
第四のポイントは、金融緩和の金融仲介機能への影響。
マイナス金利により国債金利は大きく低下し、貸し出しや社債の金利も低下。
一方で、預金金利の低下幅はこれより小さく、このことは、
貸出金利の低下が金融機関収益を圧縮する形で生じていることを示していること。
そして、以上のような検討を踏まえ、日銀は、
従来の「量的・質的金融緩和」、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を
強化する形で、新たな金融緩和の枠組みである
「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入したとのことですが、
新たな枠組みは、次の2つの要素から成り立っているとの説明がありました。
第一は、日銀が長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」
第二は、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで
マネタリーベースの拡大方針を維持する「オーバーシュート型コミットメント」
う~む……。この日記をメモ代わりにして要点を整理してみようとしたけれど、
実のところ私は、日銀の新しい金融政策の枠組みがさっぱり分かっていません。
要するに、今後も大規模な金融緩和が続くという理解でいいのでしょうか?
ところで、挨拶のなかで黒田総裁は、
・大切なことは、解決すべき課題に正面から向き合い、
最善の対応策を追求し続けること
・政策のコストを最小に、ベネフィットを最大にする
・そのための創意工夫を惜しまず、新しい挑戦をためらわない
とおっしゃっていました。
この部分に限って言えば、日銀の金融政策だけに限らず、
全ての組織に当てはまる「行動哲学」ではないかと思った次第です。