今日の日経新聞「こころ」欄に、
生物学者、池田清彦さんへのインタビュー記事が掲載されていました。
池田さんはその著書で、「他人に共感しない能力」と
「他人に深く関わらない生き方」を勧められているそうで、
今回の記事の中でも、次のような含蓄に富むお言葉がありました。
・がんばらないと人並みの生活ができないかのような「時代の空気」があります。
書店に行けば自分磨きのハウツー本であふれています。
「やればできる」とか「人間はみな平等だ」という幻想が
多くの人を息苦しくしているようです。
・がんばっても老化に伴う大概の病気は治りません。
その意味では、一番健康に悪いのは長生きです。
好きなことをして、うまい酒を飲んで、
適当なところでジタバタせずに死んだ方が幸せなこともあるのです。
・他人を理解できなくてもいいのです。
「君子の交わりは淡きこと水のごとし」と言いますね。
共感し合えなくても友達になれます。
人間本来の性質に逆行するので難しいのですが、
「私には理解不能だけど、まあそういう人もいるよね」
ぐらいのおおらかな心持ちになれたら平和な世の中になると思います。
・誰かに何かをしてあげるのは長期的に見て見返りを期待するからだ、
という考え方を生物学では互恵的利他主義と言います。
情けは人のためならず、ということです。
マイノリティーへの対応もこの考え方が当てはまります。
今はマジョリティーの人もいつマイノリティーになるかわかりません。
う~む、なるほど…。そういう考え方もあるのですね。
池田さんは、「日本で最も過激なリバタリアン」を自認されているようです。
「人は他人に迷惑をかけない限り、何をしてもいい。国は個人の自由に干渉しない。」
という解説がありましたが、小心者で寂しがり屋の私は、
とても過激なリバタリアンにはなれそうもありません。
「和せず頑張らず生きる」ことは、一方では、自らの状況判断が必要であり、
これが意外と難しいことが記事を読んで理解できました。
さて、話は変わりますが、親愛なるkちゃん……。
そういえば昔、二人で湯田温泉に出張しましたね……。
その時の記憶があまり残っていないのは、
たぶん二人でお酒を飲みすぎたからでしょうね……。(苦笑)