岡本全勝・福島復興再生総局事務局長のHPに、
今年8月末の豪雨災害の際、鳴り続ける電話対応に忙殺されて、
防災司令塔としての機能が不全に陥っていた
私もさっそくその記事を読んでみることにしました。
(いつものことですが、岡本局長のHPはとても勉強になります。
是非、毎日目を通されることをお勧めします。)
さて、記事によると、
町役場は、代表電話番号にかけると総務課につながるようになっていて、
総務課は、8月30日の午後3時以降、
対応する職員を5人から10人に増員したけれど、課内の11台の電話は鳴りやまず、
職員の大声で課内は騒然となったとのことでした。
職員は町民からの問い合わせ対応に追われ、情報が共有されず、
避難勧告を発令する立場の町長に伝わらなかったことが、
死者19人という惨事の遠因になったのかもしれません。
また、記事では、役場総務課長の
「あまりの多忙さに思考回路が鈍り、判断力が落ちていたのかもしれない」
との発言や、町長の「避難勧告・指示を出せなかったのは組織的な欠陥。
首長に情報が入り即座に発令できる態勢をつくる必要がある」との発言、
さらには、災害時の町民からの電話対応は別の課の職員に当たらせ、
総務課は全体状況を把握できるよう
態勢の見直し作業を役場で進めていること、などが紹介されていました。
そして、この記事について、岡本局長は次のようにコメントされていました。
『緊急時に、対応する窓口がどのような状態になるのかが、よくわかります。
それぞれの職員は、全力を尽くしています。
しかし、全体を見て、組織として何をしなければならないか。
それを考える責任者が、いなかったのです。
誰か一人は、みんなと同じことをせず、「現場では何が起こっているか。
次にどのような事態が想定されるか」と想像力を働かせ、
「役場としてとらなければならない対応は何か。職員をどう動かすか。
誰に何を連絡するか」を考える人が必要なのです。
緊急時や前例のない事態の時に組織を動かす、
その際の責任者の役割と重要性がわかります。よい検証記事だと思います。』
う~む…、なるほど。私も地方自治体の勤務が長かったので、
岡本局長がとても重要なことを指摘されていることが理解できます。
今回の岩泉町役場の検証作業が、他の地方自治体への教訓となって、
同じような惨事を今後防ぐことができれば、
それが一番の、災害で亡くなられた方への供養になると思います。