しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

追い風だのみの金融政策

今月16日の愛媛新聞「道標」に、

愛媛県宇和島市出身の河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト

『大転換した日銀の金融政策』というコラムを寄稿されていました。

 

日銀は、今後どのようにして2%インフレを達成するのか。

新たな枠組みでも、マイナス金利深掘りへの反発は強く、

積極的な働きかけが難しいため、

日銀は「追い風の到来を待つ政策」を取るのだろうとして、

河野さんは次のようにヨットに例えて解説されていました。

 

『現在、目標の港(2%インフレの達成)までかなり長い距離がある。

 燃料も少なくなり(追加緩和余地は低下)、

 かつエンジンの燃費も悪化した(金融緩和の副作用の発生)。

 このため、いったん、エンジンを止め、

 代わりに大きな帆を立てて(長期金利ターゲツトなどの導入)、追い風の到来を待つ。

 エンジンを再始動する(追加緩和に踏み切る)のは、

 (外的ショックなどの)強い向かい風が吹いたときである。』

 

また、「追い風」の具体的な内容を、次のように述べられていました。

『理想の追い風は、政府の構造改革の進展で、潜在成長率が上昇し、

 企業の資本収益率が高まることだ。

 現行の低い金利水準が維持されていれば、金融緩和効果が強まる。

 日本の潜在成長率が変わらない場合でも、世界経済が回復し、

 海外の金利が上昇すれば円安が進み、

 同様のメカニズムで日本の成長率やインフレ率は上昇する。』

 

う~む……、なるほど。

ヨットは絶妙な例え話で、これなら私にも理解できそうです。

ただ残念なのは、河野さんのお話では、

現実には追い風は期待できないとのこと。

その理由として、

潜在成長率や資本収益率を引き上げるための王道は規制緩和なのに、

その本質は既得権益層との戦いであること、などを挙げられていました。

 

今日18日の日経新聞「春秋」にも、

『将来への不安や賃金低迷などの重しで、

 人々には節約志向が古漬けの味のように染みついた。

 ここは熟議と決断で構造を打破する政治の出番である。』と書かれていました。

 

万策尽きたら、「追い風」よりも強力な「神風」が吹かないかしら…?(苦笑)