明日と明後日の土日は仕事が控えているため、今日はお休みをいただきました。
朝から雨模様だった天気も、昼過ぎからは徐々に回復しました。
我が家の大小二本のヤマモミジのうち、大きい方のヤマモミジは、
この時期になって、ようやく紅葉らしい紅葉となりました。
さて、今日9日は、文豪・夏目漱石が
1916年に亡くなってから100年目の命日です。
地元の愛媛新聞には、『色あせぬ漱石』という特集記事が掲載されていて、
そのなかに次のような記述がありました。
『漱石は門下生らに宛てた手紙でよく「百年」という言葉を使った。
生前から100年先を見据えていたことが分かる。
わずか10年余りの創作活動で数々の名作を生み出し、
1916年(大正5)年12月9日、胃潰瘍のため49歳で生涯を閉じた。
それから100年。人間の心をみつめ、その孤独を描き続けた漱石文学は、
色あせることなく、今も読み継がれている。』
ところで、全国の中学・高校の先生が、生徒に最も薦めたい本の第一位は、
漱石の「こころ」だったことを、以前、この日記に書いたことがあります。
ですから、今、この瞬間も、先生に薦められた「こころ」を読んで、
感動されている中・高校生もいるのでしょうね……きっと。
『自由と独立と己れとに充ちた現代に生れた我々は、
其犠牲としてみんな此淋しみを味はわなくてはならないでせう』
『「私は淋しい人間です」と先生は其晩又此間の言葉を繰り返した。
「私は淋しい人間ですが、ことによると貴方も淋しい人間ぢやないですか」』
人間というのは「淋しい存在」であることは、
どうやら100年経っても変わることがないようです……。