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しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

悲しみの相対化

土・日曜日に出勤したので、今日と明日は仕事はお休みです。

いつものように、掃除・洗濯・買い物の「休みの定例業務」で、

一日があっという間に過ぎ去ってしまいました。

 

さて、『やまない雨はない~妻の死、うつ病、それから…』

(倉嶋厚著:文春文庫)を読了しました。

 

読後感想文を書こうとしましたが、なかなか筆が進みません。

妻の急逝でうつ病になり、自殺を試み精神科に入院……。

どん底の状態から立ち直るまでの心の変遷を、著者は赤裸々に綴られていました。

そのすさまじい生きざまに対して、

どのように感想を述べていいのか、正直、戸惑ってしまいました。

同じ境遇に置かれた時、自分なら「とても立ち直れそうにない」とも思いました。

ようやく、「文庫版あとがき」の次の記述を読んで、

ホッとしたというか、救われた気持ちになりました。

 

『私も自殺を思うほどに心が落ち込んでいる時、

 喪失の悲しみを越えた方々の多くの手記を読んで苦境から抜け出そうとした。

 しかし既に立ち直っている人と、渦中の者との間には距離がありすぎて、

 自分の今の苦しみはこうはうまく解決できない、と感じることがあった。

 本書を読んだ方も同様の感想をもたれたのではないかと思う。

 当時の私は、「この人には頼りになる子供がいるが、私にはいない」、

 「この人は車の運転ができるが私はできない」、

 「この人は立派な趣味をもっているが自分にはない」、

 「この人は単身赴任や外国留学で料理・洗濯・掃除に慣れているが自分は違う」

 などと「自分にないもの」ばかりを気にしていて

 「自分にある好条件」に気づかなかったことに、今、思い当たる。』

 

う~む……、なるほど。そうですよね……。

「自分にある好条件」には、なかなか気がつかないのかもしれませんね。

なお、本書の最後の箇所で著者は、次のような言葉を紹介されていました。

『今宵酒あれば今宵呑み、明日愁いきたらば明日愁う』

さらに、さきほどの「文庫版あとがき」では、著者の次のような言葉もありました。

『「立ち直る」とは自分の悲しみを相対化することである』

 

辛く苦しい時には、また本書を開いてみようと思います。

 

やまない雨はない―妻の死、うつ病、それから… (文春文庫)

やまない雨はない―妻の死、うつ病、それから… (文春文庫)