今日は終日、冷たい雨が降り続きました。この雨もいつかはやむのでしょうね…。
さて、昨日の続きです……。
倉嶋厚さんの『やまない雨はない』(文春文庫)を購読したのは、
今年10月23日の日経新聞「こころの健康学」に掲載された
大野裕先生の次のような文章を読んだのがきっかけでした。
『以前、問題が複数あるときには「縦に並べることが大事だ」と、
お天気キャスターだった倉嶋厚さんに教わったことがある。
倉嶋さんは、妻を亡くした後に重いうつ病になり、
その体験を書いた『やまない雨はない』(文春文庫)がベストセラーになったので
知っている人も多いだろう。』
この記事に関し、私は同日付けのこの日記で、次のように書きました。
『う~む……。これは意外でした。私はこれまで、職場の上司や先輩から、
「たくさん問題があるときは横に並べて、どれを優先すべか、
どれからを手を付けるべきか、考えるべきだ」と教わってきました。
だって、問題を縦に並べてしまうと、
一番下に埋もれてしまった問題を、いつの間にか忘れてしまいそうですもの…。
しかも、それが案外、緊急かつ重要な問題だったりして……。
あぁ、そうか……。大野先生が言われているのは、
問題に優先順位をつけるまでは横に並べて、
優先順位が決まったら縦に並べて、シングルタスクに行動することなのかな…?
横に並べて優先順位もつけないまま、あれもこれも同時に問題に手を付けることが、
一番非効率なのかもしれません。』
そして、今回、この本を読了して、倉嶋さんの発言の趣旨が理解できました。
倉嶋さんは、お父さんが残された処世訓として、次のように書かれていたのです。
『病気がちで引っ込み思案だった私は、17、8歳の頃、
ひどい神経症に苦しんでいました。そのとき父は、
「なあ厚、お前の心配ごとを縦に並べてみられないか」と言って、
紙に一本の縦線をひきました。私が今悩んでいることをひとつずつ聞き出して、
いちばん差し迫った問題をいちばん上に書き、
すべての心配ごとを順々に並べて見せました。
「いまのお前は横に並んだたくさんの心配ごとに攻め立てられて、
何もしないでおびえているだけだ。でも、縦に並べれば当面の敵は一人。
まずはそれと闘えばいい。その先は心配するな。
最初の問題について全力を尽くしてやってみろ。そして、さらには次の問題と闘え。
闘い続けておまえが敗れたら、それはそれで仕方がないじゃないか。」
私はその話をよく講演で披露していたのです。』
「問題は縦か、横か?」。10月23日のこの日記のタイトルです。
これで私の心配ごともひとつ解決できました……。
それにしても、心に残る処世訓ですね。