岡本全勝・福島復興再生総局事務局長のHPで、
今月6日の朝日新聞「考論」に掲載された、
長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)による
「混迷する世界の中での政治システムや社会のあり方」に関する対談内容が
紹介・引用されていたので、私もさっそくその記事を読んでみることにしました。
なお、余談ですが、こういう時に、
「朝日新聞デジタル select on Yahoo!」の検索機能がとても役立ちます。
私は、「ポピュリズム(大衆迎合)」にかかるお二人の発言が勉強になったので、
その一部を次のとおり引用させていただきます。
まずは、長谷部教授から。
『真の国民の代表であるとの主張は、ポピュリストの特徴です。
裏を返せば、他の政治家は真の国民を代表しておらず、
自分たちの政治的主張だけが正し いということになる。
トランプさんは当選を決めた後、
すべてのアメリカ人のための大統領になると言いましたが、
私を支持する人間だけが真のアメリカ人だと言っている可能性が十分にある。
甘く見てはいけないと思います。』
次に、杉田教授です。
『ポピュリズムは本来、「貧しい労働者を代表する」という
左派ポピュリズムとして表れてもおかしくないのに、
現状はほとんどが右派ポピュリズムです。
国籍や人種の方が直観的にわかりやすいからでしょうか。
ナチスの反ユダヤ主義は、一時的な「逸脱」と見なされてきましたが、
経済が悪くなると同じようなことが起きる。
レイシズム(人種差別)という、
人間の「地金」が出てきているようにも見えます。』
う~む……、人間の「地金(じがね)が出る」ですか…。
「本性をあらわす」という意味だそうですが、
滅多に見ることのない言葉に遭遇したように思います。
ところで、本日17日の日経新聞「経営者のブログ」では、
鈴木幸一・IIJ会長が、19世紀ロシアの民族主義運動に関連する、
ドストエフスキーの言葉を紹介されたうえで、次のように述べられていました。
『19世紀末は、そうそう遠い昔のことではない。
私の世代がむさぼるように読んだ多くの書物は、19世紀のものである。
20世紀の科学技術や民主主義の仕組みは、歴史的には最近のことである。
「豊かさ」が、人々の究極の欲求となったのも、長い歴史があるわけではない。
「豊かさ」への欲求を前提とした社会となった時代に、
人口の1%の人々が90%以上の富を占有する
極端な「格差」社会を生んでいる国もある。
20世紀の後半になって、私が関わり続けたインター ネットという技術革新が
世界を覆いはじめているが、その社会はいまだ序奏のようなものである。
今後、世界はどこに向いていくのか、いささかなりとも、考えてみたくなる。
「トランプ大統領」という超巨大国家に生まれた現象を
注意深く見つめることが、未来を考えるためのひとつの鍵になるかもしれない。』
はぃ、分かりました……。
これから「トランプ大統領」のもとで次々と起こるであろう現象を、
「未来を考えるためのひとつの鍵」として、
私も注意深く見つめていきたいと思います。