仕事がお休みだった今日は、
この映画だけは必ず観に行こうと心に決めていた映画を観てきました。
その映画とは『この世界の片隅に』です。
映画の冒頭、コトリンゴさんの「悲しくてやりきれない」を聴いただけで、
不覚にも涙が流れそうになりました。
そして、映画に出てくる風景は、私がまだ生まれていない戦時中の風景なのに、
いつか見たことのあるような懐かしい風景で、
何とも言えない不思議な感覚がありました。
それはたぶん子供の頃、父や母や、伯父や伯母や、そして祖母…、
およそ戦争というものを生身の身体で体験した人たちから聞かされた、
その語りの中にでてきた風景で、
私のはるか心の奥底に眠っていたものが、呼び覚まされたのだと思います。
ところで、金曜日の午前中だったせいか、
思ったよりも映画館の観客は少なく、私よりも年配の人が多かったように思います。
この映画は、是非、若い世代の方々にも観てもらいたい映画です。
また、何気ない日常を何気なく生きていくことが、
実はとても幸せなことなのだと改めて気づかせてくれるとともに、
耐え難い苦しみや悲しみを体験し、絶望のどん底にあっても、
人はいつの日か再生できる、そんな希望を与えてくれる映画でもありました。