しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「梅妻鶴子」への憧れ

今日は、お天気はあまりよくなかったけれど、暖かい一日となりました。

それもそのはず、関東地方では「春一番」が吹いたそうです。

こうして日記を書いている今現在も、暖房の必要がないほど部屋は暖かいです。

 

さて、愛媛新聞では、

今年が正岡子規夏目漱石の生誕150年であることにちなみ、

俳人・神野紗希さんによる『日めくり子規・漱石』の連載が続いています。

最近、私が印象に残ったのは、今月13日に掲載された漱石

『鶴獲たり 月夜に梅を 植ん哉』という句です。

 

俳句に素人の私は、最初この句を見た時に、

どういうことを詠んでいるのか、さっぱり分かりませんでしたが、

神野さんの次のような解説を読んで、ようやく理解することができました。

 

『「梅妻鶴子(ばいさいかくし)」とは、俗世を離れた風雅な隠遁生活のたとえ。

 湖のほとりで、梅を妻に、鶴を我が子に見立て、

 一人清らかに暮らした、北宋の詩人・林逋の故事からきている。

 芭蕉も「野ざらし紀行」で京都の山荘に招かれた際、

 〈梅白し 昨日ふや鶴を 盗まれし〉、

 白梅が見事だが鶴が見当たらぬ、昨日盗まれたのか、と故事を踏まえ梅をほめた。

 漱石の句は「鶴獲たり」、まるで芭蕉の句の鶴盗人だ。

 あとは梅さえ植えれば、梅妻鶴子の生活が叶う。』

 

う~む…。(絶句) 漱石の句の背景に芭蕉の句があるとは……。

漱石をはじめ、明治人の教養の深さに脱帽です。

それにしても今回、「梅妻鶴子」という格調の高い四字熟語を初めて学びました。

 

俗世を離れた風雅な隠遁生活に私も憧れますが、

どうやらその隠遁生活を送るためには、「豊かな教養」が必要不可欠のようです。