日経新聞で連載されていた大橋光夫・昭和電工最高顧問の「私の履歴書」は、
先月末日をもって終了しましたが、最終回のタイトルは、
『家族とともに~日本の精神性を世界へ~子供は社会からの預かり物』で、
日本の将来と家族の思いがつづられていました。
大橋さんは、「親にとって子供は社会からの預かり物だ」として、
次のように述べられていました。
『子供は親の所有物ではない。どんな道に進むかは本人次第だが、
次世代の社会に参画する一員になれるよう、子供を育てる義務が親にはある。
特に男親が愛情をもって教育することが大切だ。
女性の社会進出の遅れは日本の大きな課題だ。
夫婦そろって仕事を持ち社会に貢献するのは良いが、
では次世代を担う子供をどう育てるのか。その議論が不足している。
小学校を卒業する位までは子供は母親の膝にのり、そのぬくもりで安心する。
幼いなりに不安や孤独を感じた時、
母親、一歩譲っても父親に抱きしめられて心が安らぐ。
子供の教育は国にとって30年かかる最重要の仕事だ。
母親が子供を育てながら在宅勤務できる環境を整えるなど、
女性の社会進出との両立へ対策を講じることが大切だ。』
う~む……。(絶句)
この文章中の「特に男親が愛情をもって教育することが大切だ」というのは、
私にとって、とっても耳が痛いお言葉です。
私の娘は、一社会人として、また一人娘を持つ母親として、
父親の私から見ても、それなりによく頑張っていると思いますが、
私自身と言えば、この30年を振り返っても、
子供の教育を妻に任せっきりにしていたのではないかと、深く反省しています。
ましてや、「子供は社会からの預かり物だ」という認識は、
恥ずかしながら、ほとんどありませんでした。
ただ、大橋さんの「子供は社会からの預かり物だ」という観点からは、
最近の「子供の相対的貧困の問題」などは、
社会全体でその解決に取り組むことが必然になると思います。
そして最後に、大橋さんは、
次のような2つの人生訓を若い人に託されて筆を置かれていました。
・「不動心」を胸に「信念と気概」を持って自分の道を迷わず進むこと。
・日本人として「寛容と調和」の精神を貫いて世界の平和を先導すること。
私はもう「若い人」ではありませんが、
こちらも、志が低かった私にとっては、とっても耳が痛いお言葉です。