しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

歴史を知り、教訓とする

天皇、皇后両陛下は今月6日に、

7日間にわたるベトナム親善訪問とタイ前国王弔問の旅を終えて、

無事帰国されました。

 

そして、今月7日には、

『「象徴」の意義示した旅 両陛下帰国~埋もれた歴史に光り』

という記事が日経新聞に掲載されました。

その記事の次の記述には胸にジーンと迫るものがあって、

同時に、少し考えるところがありました。

少々長くなりますが、とても大切なことが書かれていたと思うので、

引用させていただきます。

 

『両陛下は2日、ハノイ市内で残留日本兵の家族らと懇談された。

 太平洋戦争後に戦地に残留した日本兵が数多くいたことは知られていた。

 しかし、彼らと結婚した現地女性が夫が帰国したあと、

 差別と貧困のなかで苦労して子供を育ててきた事実には目が向けられてこなかった。

 残留日本兵の家族は両陛下が

 「(自分たちに)特別な感情を持っていただいてありがとうございます」と

 涙を流して感動していた。

 「自分たちは忘れられていない、見捨てられていなかった」と

 受け取ったからだろう。

 天皇陛下は昨年8月のお言葉で天皇の象徴的行為として、

 遠隔の地や島々など各地への旅を挙げられたが、海外訪問もその延長線上にある。

 社会の片隅で忘れられていた人々、事実に光を当てる。

 象徴ゆえに、そして象徴にしかできないことかもしれない。

 そして天皇陛下は繰り返し述べてきた

 「歴史を知り、教訓とする」ことも今回の旅で実践された

 4日に両陛下がフエのファン・ボイ・チャウ記念館を訪れたことで、

 この独立運動家と、ベトナム人が日本に学んだ東遊運動、

 彼らを支援した日本人の存在が注目されることになった。

 天皇陛下「過去のことを振り返りながら日本がどういう道を歩んできたか、

 ということを日本の人々が知っていくということは大変大事なこと」

 と述べられた。』

 

ところで、大阪市の某学校法人が運営する幼稚園が、園児に、

天皇を頂点とする秩序を説き、戦前の教育の基本理念を示した「教育勅語」を

素読させていたという報道が、最近の新聞紙面にありました。

 

私は、教育勅語に書かれた、親孝行や学問の大切さ、遵法精神など

国民が守るべき道徳的な記述については、

その内容を全面的に否定するつもりはありません。

しかし、それを「園児に素読させる」ことは、強烈な違和感があります。

 

むしろ、先に引用させていただいた記事に書かれてある、

天皇皇后両陛下の「社会の片隅で忘れられた人々、事実に光を当てる」

という象徴としてのおつとめや、

天皇陛下の「過去のことを振り返りながら日本がどういう道を歩んできたか、

ということを日本の人々が知っていくということは大変大事なこと」

というお言葉と、そのお言葉に込められた思いを、

子どもたちに分かりやすく伝え、教えていくことこそが、

本当の意味での国民教育ではないだろうか、と思っています。