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しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

便利な言い訳の言葉

今月14日付けの「溜池通信」の特集は、

地政学リスクを考える』というタイトルでしたが、

地政学」のポイントや「リスク」と「不確実性」の違いが

分かりやすく解説されていて、とても勉強になりました。

 

まず、「かんべえ」さんこと、双日総合研究所吉崎達彦さんは、

地政学は「地図を使って考える」という点に特色があり、

そのポイントは、①「国家」の立場から、

②「地理」という人間が変えられないものを前提に、

③「戦略」を考える学問で、④特に「戦争」に関する思考が中心になる、

と解説されていました。

 

また、「リスク」と「不確実性」については、

経済学において、この二つを分けたのはフランク・ナイトの功績とのことで、

前者は計算できる確率的事象、後者は確率を計算できない事象であり、

東京直下型地震など計算できるリスクは、実はそれほど怖くないけれど、

計算できない不確実性は、例えば「3/11震災」直後のように、

非常に怖く感じられると解説されていました。

 

そして、経済学者ナイトが偉大であった点について、

次のように述べられていました。

『経済学者ナイトが偉大であった点は、

 つまるところ人間社会において不確実性は排除できないから、

 経営者はこれに対処しなければならない。

 そして利潤とは、不確実性に対処することに対する報酬である、

 と喝破したことである。

 確かに企業を取り巻く環境は、計算できることばかりではない。

 かならずどこかに「不確実性」があって、

 そこはアニマル・スピリッツで乗り越えていかなければならない。

 端的に言えば、どこかで迷いを断って「エイヤア」と蛮勇を奮う必要がある。

 この点、「先行き不透明性」を強調することが多い最近の日本企業には、

 反省すべき点があるのではないだろうか。

 「地政学リスク」という言葉も、行動しないことの便利な言い訳として

 使われている面が無きにしも非ずだと思う。』

 

この記述のなかで印象的なのは、

「利潤とは、不確実性に対処することに対する報酬」という言葉です。

やはり経済活動を行っていくうえでは、

「アニマル・スピリット」が大切なのですね……。

 

ひるがえって、私のこれまでの人生はどうだったのか…。

計算できる「リスク」に対しては、あまり考えずに準備をしてこなかったし、

計算できない「不確実性」に対しては、

いたずらに考えすぎて、怖がってばかりいたように思います。

 

そして、最近、深刻な問題として考えているのが「長生きのリスク」です。

こちらも、「地政学リスク」という言葉ように、

「行動しないことの便利な言い訳」のように、

何の準備もしないまま、私は使ってしまいそうな気がしています。