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しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

ポピュリズムの正体を学ぶ

ポピュリズムとは何か』(水島治郎著:中公新書)を読了しました。

 

ポピュリズムは、デモクラシーの後を影のようについてくる』

ポピュリズムは、「ディナー・パーティーの泥酔客」のような存在』

この二つは、いずれも本書のなかに書かれている文章です。

私はこれまで、「ポピュリズム」という言葉の響きに、

あまり良いイメージを持っていませんでしたが、

本書を読んで、その認識が大きく変わることになりました。

 

いろいろと勉強になる記述がありましたが、私が特に印象に残っているのは、

「リベラル・デモクラシーがはらむ矛盾」という内容の次のような記述でした。

『現代のポピュリズムは、「リベラル」や「デモクラシー」といった

 現代デモクラシーの基本的な価値を承認し、

 むしろそれを援用して排除の論理を正当化する、という論法をとる。

 すなわち、政教分離や男女平等、個人の自立といった、

 「リベラルな価値」に基づき、「政教分離を主張するイスラム

 「男女平等を認めないイスラム」「個人の自由を認めないイスラム」を批判する。

 そしてエリート支配への批判、民衆の直接参加といった

 「デモクラシー」の論理に基づき、国民投票住民投票に訴え、

 既成政治の打破を訴えるのである。

 そうだとすれば、現代デモクラシーが依拠してきた、

 「リベラル」かつ「デモクラシー」の論理をもって

 ポピュリズムに対抗することは、実はきわめて困難な作業ではないか。

 「リベラル」や「デモクラシー」の論理を突きつめれば突きつめるほど、

 「政教分離」「男女平等」に基づき反イスラムを訴えるポピュリズム

 「真のデモクラシー」を訴えて国民投票住民投票

 少数派排除やEU脱退を決しようとするポピュリズムの主張を、

 正当化することになるからである。』

 

このような矛盾をはらむポピュリズムは、

デモクラシーにおける「改革」と「再活性化」に、

今後、良い影響を及ぼすことは、果たしてできるのでしょうか…?

フランス大統領選をはじめとする、世界政治の行く末を

注意深く見守っていく必要がありそうです。