昨日、そして今日と、強烈な暑さが続いています。
この厳しい暑さで、体力が消耗していくのが、はっきりと自覚できます。
まだ7月……。
この過酷な夏を無事に乗り切れることができるのか、ちょっと心配になってきました。
小説とはいいながら、私にはとても重たい本でした。
ですから、コメントも正直しづらいところがあります。
ただ、この私の気持ちを代弁してくれているような記述を、
作家・逢坂剛さんによる解説のなかの、次のような文章に見つけることができました。
『帚木の「閉鎖病棟」は、同じように精神を病むさまざまな人々を描きながら、
そうした刺激的な小説とまったく対照的な世界を構築、提示する。
精神科病棟の実態を、患者の立場からこれほど公正に描き切った小説は、
おそらく初めてだと思う。
ここで公正というのは、むろん差別的な視点がないことだけでなく、
わざとらしい無益な同情、憐憫もないことを意味する。
患者を同じ目の高さから、長所も欠点も含めて
まさにわたしたちの仲間として描く、毅然とした姿勢をいうのである。
そこに初めて、理解と共感が生まれる。
この作品を読んだ読者は、精神科の患者たちがしばしばわたしたち以上に、
純粋でまともな心の持ち主であることを知り、愕然とするに違いない。
むしろ、異常なのは自分たちの方であって、
もしかすると彼らの方が実は正常なのではないか、という気さえするだろう。
逆にそのような不安を、たとえ一瞬でも感じない人がいるとするならば、
むしろわたしは不安を覚える。』
どうやら私も、「一瞬の不安を感じた」読者の一人のようです……。
さぁ、ようやく陽も傾いてきました。
これから、やぶ蚊に刺されながら、庭木の水やりをすることにします。