しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

消費税10%の先

一昨日のこの日記で、「全世代型の社会保障」についての感想を書きました。

このことに関連して、11月4日号の週刊東洋経済「経済を見る眼」に掲載された

早川英男・富士通総研エグゼクティブ・フェローの執筆による

『消費税10%の先を議論しよう』というコラムが、頭の中を整理するうえでとても勉強になりました。

その勉強になった記述とは、次のような内容でした。


『 ~(略)~ 小泉進次郎氏らが従来訴えていた

 「これまで高齢者福祉に偏ってきた日本の社会保障を全世代型に変えていく」という主張は正論である。

 高齢者福祉はすでに現実になった超高齢社会への適応として不可避だが、

 長い目で見て人口減少そのものを食い止めていくには、子育て世代への支援が不可欠だからだ。

 だが、消費増税による税収の使い道だけを議論するのではあまりにも無責任である。

 もともと、高齢者福祉中心の現行社会保障制度を維持するだけでも

 消費税10%では明らかに不十分だった(経済学者・エコノミストの相場観では20%以上が必要)。

 マクロ経済スライドの導入で公的年金の持続可能性は高まったが、

 このままでは低年金世帯の収入は生活保護水準を下回ってしまう。

 数年後に団塊世代後期高齢者(75歳以上)になることに備えるには、

 待遇改善を進めて介護職員を増やすことが急務となる。

 そこに子育て世代への支援を加えるなら、

 消費税10%はまだ入り口にすぎない(だからこそ国民の納得感が必要なのだ)。

 もちろん、医療分野ではICTの活用などを含めて効率化の余地は極めて大きい。

 介護については、混合介護を通じたサービス産業化の推進を期待できる。

 また教育費の支援も、幼児教育、社会人教育の強化や給付型奨学金の拡充など

 真に効果あるものに絞るべきだ。

 それでも全世代型の社会保障制度を展望するなら、10%から先の議論を直ちに始める必要がある。』


う~む、なるほど‥‥。

やはり、「全世代型の社会保障」を実現するためには、国民の痛みを伴う更なる改革が必要なのですね。

コラムで早川さんが指摘されていたように、

『全世代型社会保障が目指すこの国の将来像と、

 そのための費用負担のあり方に関する真剣な議論が望まれる。』‥‥このことに尽きるのですね。

大変よく分かりました。ただし、実現できるかどうかは別問題なのが悲しい現実だけれど‥‥(苦笑)。