しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

怒りはいずこに?

少し古い話題となってしまいましたが、

昨年12月25日の「YOMIURI ONLINE」に掲載された「名言巡礼」は、

映画監督・大島渚さんの『君たちはなぜ、怒らないのか』という言葉で、

次のような解説がありました。


『父が世を去った時、2人の息子は父の言葉を本にして残そうと思った。

 話し合って、50の言葉を選んだ。題名は一番父らしい言葉にした。

 「君たちはなぜ、怒らないのか」

 父は、「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」など

 数々の傑作で世界的に有名な映画監督・大島渚

 2人の息子は、長男で大学教授の武さん(54)と、

 次男でドキュメンタリー作家の新さん(48)である。
 
 この言葉を、兄弟は父から直接聞いたわけではない。

 メディアで近いニュアンスのことを言ったという記憶はあるが、著書でも確認出来なかった。

 「でも今、父が生きていたら絶対にこう言うと思います。若者たちは物わかりがよくなった。

 昔は議論したり闘ったりしたものですが」。

 新さんが言う。子供の頃、突然怒り出す父を見るのは嫌だった。

 今はそれが父の生き方だったと思う。

 「立場が上の人が理不尽なことを言うのを絶対に許さなかった。

 そこは自分も似ているところがあると思います」』


この記事を読んで、その昔、某テレビ番組で、大島監督が怒っている姿を思い出しました。

その際の、細かなシチュエーションはほとんど覚えていないけれど‥‥。

私はどうかというと、ここ数年、「世の中の不条理」に対して、

怒りを覚えるということがめっきり少なくなりました。

これは、私がようやく「大人」になったということなのか、

それとも、怒る気力さえ失せてしまったのか、あるいは、諦めてしまったのか、

自分でもよく分かりません。


ところで、記事にも書いてありましたが、

最近の若い人は、どんな時に、何に対して、怒りの矛先を向けるのでしょう?

「世の中の不条理」に対して怒ることはあるのかしら? 例えば、昔の学生運動みたいに‥‥。

若い人が「物わかりがよすぎる社会」は、かえって不気味な気がします。