昨日8日の新聞紙面に、二つの俳句が引用されていました。
その一つは、愛媛新聞一面コラムの「地軸」です。
『新年度が始まって最初の1週間が過ぎた。暖かな日差しと希望に満ちた春は、
一方で、病気や体調不良のもととなるストレスをためやすい季節でもある。
「春バテ」という言葉を耳にすることも多くなった。
入学や入社、異動…慣れない環境で張り詰めた神経が、気付かぬうちに伸び切るころかも。
きちんと休息を取り、ゆったり心をほぐしたい。
子規にはこんな句もある。「しばらくは風にまかせし柳哉」。
時には無理をせず、流れに身を任せるのも悪くない。柳のようにしなやかに。』
もう一つは、朝日新聞デジタル版「日曜に想う」に、
『生き方と逝き方、桜散る季節に』というタイトルで書かれた福島申二・編集委員の論評です。
『北へ向かう桜前線は、きょうはどのあたりまで行ったか。
ときに生きがいに結びつけ、ときに死にざまに重ねて、日本人は桜に思いを託してきた。
〈死支度(しにじたく)致(いた)せ致せと桜かな〉一茶
不吉な句ではあるまい。桜の恬淡(てんたん)とした美しさが一茶にそう言わせる。
生きているうちの旅支度を「縁起でもない」と嫌う時代では、もうないだろう。』
う~む、なるほど‥‥。
正岡子規の俳句といい、小林一茶の俳句といい、この季節の心境にピッタリの句だと思います。
文章の中で巧みに俳句を引用する高度なテクニック‥‥。
私も見習いたいけど、いかんせん、そのストックがありません‥‥。(トホホ)