昨日15日の朝日新聞デジタル版「日曜に想う」は、
大野博人・編集委員執筆の『社会とつながる「魔法の授業」』というタイトルの記事でした。
記事によると、藤川大祐・千葉大学教育学部教授のゼミが母体となって
2003年にできたNPO法人・企業教育研究会は、
さまざまな企業に専門の知見や資金で協力してもらって、新しいスタイルの授業を作り、
それを小中高校に出前授業として届ける活動を続けているそうです。
記事本文では、東京都杉並区井草中学校のゲーム仕立てのソフトを使用した数学の授業が紹介されていました。
そして、「学校で学ぶ知識が社会とどうつながっているか」という根本的な問題について、
記事では次のようなことが書かれていました。
『「不易」と「流行」。教授は、学校と社会のちがいをそう表現する。
生きていくために必要で変わることのない基本的知識を教える学校と、変わり続ける社会。
ある程度のズレが両者に生じるのはやむをえない。しかし、最近の社会の変化には加速度がついている。
何のために学ぶのかが子どもたちに見えなくなっている時代だと教授はいう。
「いい学校に入っていい就職をという学歴社会信仰ももうない。別の動機付けが必要。そのために、
学んでいることが社会で使う知識とどうつながっているのかということをもっと見せてあげたい」
この試みを教授は「魔法の授業」と呼ぶ。
たしかに抽象的で難しいと思われがちな数学で、教室が沸くのは「魔法」のようでもあった。
それは単に物語仕立てが巧みだったからだろうか。
数学が社会にもたらす意味が垣間見えたからでもあるのではないか。
文部科学省は新しい学習指導要領に「社会に開かれた教育課程」という方向を盛り込んだ。
忙しい学校には「言うはやすく行うは難し」かもしれない。でも、この「魔法」は助けになりそうだ。』
う~む、なるほど‥‥。学校と社会とのちがいは「不易」と「流行」ですか‥‥。
言われてみると、そのとおりですよね‥‥。
また、「何のために学校で学ぶのか」を「見える化」する取組みは、とても大切なことだと思いました。
「ずく役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」という名言中の名言がありますが、
「すぐには役に立たないけれど、いつか役に立つことを教えること」が、まさに学校教育なのかもしれません。
老いて、そのことがようやく分かってきました。