昨日16日の日経新聞「18歳プラス」に、「人生100年時代への備え」について、
働き方改革のコンサルティングや、ワークライフバランスに関する政府委員などを務め、
育児や介護もこなす小室淑恵さんに、インタビューした記事が掲載されていました。
平均寿命が延びる「人生100年時代」を迎え、
若者世代の生き方、働き方は親世代とは違ったものになりそうなことから、
これからの働き方について聞き取りしたものでしたが、次のようなとても示唆に富むお言葉がありました。
① 人工知能(AI)の進化などで、今は必要とされている技能や職業が10年後、
20年後になくなってしまうリスクが指摘されています。
1つの仕事で専門性を極めるというより、複数の仕事や働き方を意識する必要がでてくると思います。
さらに長寿になって60歳でリタイアするのではなく、70歳、80歳まで働かなければならなくなると、
自分のキャリアを前半戦、後半戦の二毛作ぐらいで考えなくてはいけなくなるでしょう。
② 情報技術(IT)業界の技術革新のスピードを見ればわかると思いますが、
もはや1つの技術を習得すれば一生食べていける時代ではありません。
常に次世代の技術や他の分野のことを学び続けることが必須になります。
そんな厳しい時代に、1つの会社に全ての時間や能力をささげてしまうことは、
自らの人生の選択肢を狭めてしまいかねません。
③ どんな企業でも20年たてば大きな変動があるはずです。
その変化についていくためには組織に閉じこもらないことが大事です。
多くの人は「仕事が忙しいから」と言って関係を断ってしまいがちですが、もったいない話です。
自分の世界を閉じていなければ、誰がどう困っているか、
自分が社会で困っている人にどうかかわっていけるのかに気付けます。
④ 定年後の人生が長くなってくると、仕事人生から急に切り替えた人ほど、
地域社会になじみが薄く居場所がないことを痛感することになるでしょう。
家族や地域とのつながりに対し、意識して一定の時間を費やす配慮が必要となってくるでしょう。
う~む、なるほど‥‥。いずれも私には耳が痛い言葉です。
特に③は、藤原優さんの『人に強くなる極意』(青春新書)に書いてあった
「断らない力」に通じるものがあると思いました。
小室さんの言葉は、これからの若者に向けられたものですが、
人生100年時代を生きていく高齢者にも、大変参考になるのではないでしょうか‥‥。