第25回目の今日は、「外国語~読むことで深める理解~小学校での英語教育に異論」
というタイトルの内容でした。
阿刀田さんは外国語教育について、次のような持論を述べられていました。
『外国語を聞いたり話したりする教育をほとんど受けなかったし、
外国人に接する機会も乏しかったのだから、これができないのは当然である。
昨今は早くからの“話す、聞く”の教育が叫ばれ、もてはやされているが、
私としては「読むことも大切ですよ」と、これを軽視してはなるまい、と考える立場である。
話して聞いて外国人と意思を疎通することも大切だが、
なにか深いことを本当に理解するとなると、やっぱりしっかりと読むことが欠かせない。
日本語だって複雑なことをちゃんと知るためには読まなければなるまい。
講義を聴き、資料もないままデベートをしたって深淵は極めにくい。
知識を深めるためには(ITの時代は少し様子が変わるかもしれないが)
現状では本を読むことが肝要なのだ。
~ (中略) ~
昨今、小学校での英語教育が‥‥
とりわけ“話す、聞く”に重点を置く早教育が叫ばれているが、私は旧習を守って、
「日本語が先」のほうである。
英語の早教育を実施するなら、まずシステムを確立することだ。
小学校の教師に制度として(教職課程の中で)英語を教えることを
しっかりと伝授しないで“教えなさい”はおかしい。
小学校から中学校へこの教育をどうつなげるか、これもちゃんと検討しなければなるまい。
あれこれ綴(つづ)ったが、私は自分の読むこと中心の外国語学習を後悔していない。』
う~む、なるほど‥‥。
私もご多分に漏れず、中・高校時代にあれほど英語を勉強したのに、
「話す」「聞く」はおろか、「読む」こともできません‥‥。(トホホ)
もっとも、アメリカに1年間留学した娘が、人前で英語を話すところを見たことがありません。
あの教育投資はいったい何だったのでしょう‥‥?
それにひきかえ、在日外国人の皆さんが日本語を流暢に話されるのには、
正直、驚いてしまいます。この違いはどこにあるのでしょうね‥‥?