しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

もう一つの甲子園

夏の甲子園」が休養日の今日は、ケーブルテレビで「俳句甲子園」を観戦しました。


勝戦は、山口県徳山高校が3対2で東京の開成高校に勝利し、開成高校の3連覇を阻止しました。

私的には、開成高校の「清らかに 星積りゆく ケルンかな」が、じんわり心に響くものがありましたが、

徳山高校の「北斎の 龍は飛び立つ 山清水」も、躍動感あふれる俳句だったと思います。

審査員の先生もおっしゃっていたように、両校のディベートの切れ味には素晴らしいものがありました。

また、個人最優秀賞は、沖縄県興南高校・桃原康平さんの「滴りや 方舟に似て あなたの手」という句で、

私にとっては難しい俳句ですが、不思議な「余韻」というものを感じさせます。


そして、私が今年の大会で最も感動したのは、

それぞれの俳句の素晴らしさもさることながら、開成高校キャプテンの涙ながらの「敗戦の弁」でした。

「対戦相手への敬意の言葉」、「周囲の人や同僚への感謝の言葉」、

「後輩への励ましの言葉」、そしてなりよりも「俳句という文学への畏れの言葉」など、

どれをとっても謙虚で好感の持てる「言葉」だったと思います。


このような有為な人材を、毎年「俳句甲子園」に送り出す、開成高校という伝統校の

「懐の深さ」を垣間見たような気がします。