池上さんが東工大生の皆さんと一緒に毎月開催されているという
「読書会」のことが書かれていました。今回、その読書会で取り上げられていたのは、
私の愛読書でもある『生きがいについて』(神谷美恵子著:みすず書房)で、
東工大生の皆さんの、次のような感想が紹介されていました。
・先人が犠牲になりつくり上げた平和な世界でみんなうつ病になってしまうという未来は
あまりに皮肉。
人々がもっと自分の夢中になれることを探せる世界をつくっていきたいと改めて感じた。
・自分の負の側面に埋もれる微(かす)かな魅力を見つけることが自分の存在意義、
つまり生きがいを見つけることになると思った。
・現代ではその(サルトルの)「人間は存在することそれ自体に意味がある」ということを
どれだけ顧みられないことか。
人間の価値はその生産性や経済性にあるという考えが(国会議員を含め)
どれだけ蔓(まん)延していることか。
人間というのは生きているだけで無限の可能性を持っているのではないだろうか。
・読書会参加者の約半数から、これという生きがいが思い浮かばない、
生きがいが何か分からないという話があった。
一方、感謝されること、いい作品と出合うこと、ものを作ることなど
「生きがいのようなもの」について、参加者の方々はいきいきと話をされていたように見える。
う~む‥‥。(感嘆) 池上さんの読書会に参加した東工大生の皆さんが、
しっかりとした自分の考えを持たれていることにびっくりしました。
それだけ、この本を読みこなして、自分や著者との対話を重ねてこられたのでしょうね‥‥。
「後生畏るべし」です‥‥。
- 作者: 神谷美恵子,柳田邦男
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2004/10/06
- メディア: 単行本
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