白川方明・日銀前総裁が昨日22日、日本記者クラブで会見されたそうです。
今日の日経新聞には、次のようなことが書かれていました。
『日銀が異次元緩和を始めて5年以上たつことを踏まえて
「日本経済が直面する問題の答えは金融政策にはないのは明らかだ」と強調。
「物価が上がらないことが(経済の)低成長の原因でもない」とも述べ、
2%の物価目標にこだわる必要はないとの見方をにじませた。
大規模緩和の効果は「(金利低下で)投資しようという将来の需要を
現在に持ってくることだ」として、長くは続かないとの認識を示した。
ただ現在の緩和策を「いきなり変えるのはショックが大きい」とも指摘した。』
う~む、なるほど‥‥。
大規模な金融緩和は需要の「先食い」で、その政策にはおのずと限界があるのですね‥‥。
物価目標の設定と大規模な金融緩和に消極的だった白川前総裁がおっしゃられると、
その言葉にも重みがありますよね。
なお、先ほどの記事によると、
白川前総裁は、異次元の金融緩和の出口に関し、
「財政の持続可能性に取り組むことが最大の出口政策だ」と指摘され、金利上昇への対策を念頭に、
政府の財政健全化の取り組みとの協調が重要だとの認識を示されたそうです。
ところで、今、私は、『検証 バブル失政~エリートたちはなぜ誤ったのか』
今回の記事を読んで、ちょっと観点がずれているかもしれませんが、
「アメリカ」と「大蔵省」という大きな「壁」が立ちはだかり、
思いどおりの金融政策を展開できず、バブルの発生と崩壊を防ぎきれなかった、
かつての日本銀行の姿と重なるような、そんな気がしました。
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