しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「お言葉」から学んだこと

84歳の誕生日にあたり、皇后さまが宮内記者会の質問に文書で回答された「お言葉」の全文を、

今月20日付けの日経新聞で読みました。

強く印象に残り、かつ、考えさせられたのは、次のような記述でした。


『 ~(略)~ そして振り返りますとあの御成婚の日以来今日まで、

 どのような時にもお立場としての義務は最優先であり、私事はそれに次ぐもの、

 というその時に伺ったお言葉のままに、

 陛下はこの60年に近い年月を過ごしていらっしゃいました。

 義務を一つ一つ果たしつつ、次第に国と国民への信頼と敬愛を深めていかれる御様子を

 お近くで感じとると共に、新憲法で定められた「象徴」(皇太子時代は将来の「象徴」)

 のお立場をいかに生きるかを模索し続ける御姿を見上げつつ過ごした日々を、

 今深い感慨と共に思い起こしています。

 皇太子妃、皇后という立場を生きることは、私にとり決して易しいことではありませんでした。

 与えられた義務を果たしつつ、その都度新たに気付かされたことを心にとどめていくー

 そうした日々を重ねて、60年という歳月が流れたように思います。

 学生時代よく学長が「経験するだけでは足りない。

 経験したことに思いをめぐらすように」と言われたことを、

 幾度となく自分に言い聞かせてまいりました。』


まず、「日本国憲法における“象徴”とはどういうものなのか」を改めて考えさせられました。

それは、「与えられた義務を一つ一つ果たしていくこと」と、

「象徴としての立場を模索し続ける、まさにその生き方にあること」が、

この私にも少しは理解できたように思います。


次に、「経験するだけでは足りない。経験したことに思いをめぐらすように」という

かつての恩師のお言葉を引用された個所も、ぐっと胸に迫るものがありました。

人生における様々な経験は、それを糧にして、次に生かすことが大切なのですね‥‥。


さらに、天皇・皇后両陛下の、「ご夫婦としての絆の深さ」を感じ取ることができました。

お互いを思いやり、尊敬しあう姿勢というものが、

「お言葉」の行間から、ひしひしと伝わってきます。


右・左のイデオロギーを超え、一人の人間として尊敬・敬愛することができる

天皇・皇后両陛下を持ち、平成という時代をともに生きることができた、日本という国と日本人は、

とっても幸せな国と国民なんだと、皇后さまの「お言葉」を読んで、納得した次第です。