今日から二十四節気の「立冬」です。寒さに極端に弱い私にとっては、苦手な季節の始まりです。
さて、今日の日経新聞一面コラム「春秋」に、次のようなことが書かれていました。
『「女性は理系に向かない」「障害者には簡単な仕事を」。
こうした思い込みは「アンコンシャス・バイアス」、訳して「無意識の偏見」と呼ばれる。
高齢者を見る目にも、あてはまるだろう。
仕事を任せるには体力や処理能力の低下が心配、と考える企業は多いからだ。
内閣府によれば65~69歳の3人に2人は働きたいと思っているが、
実際の就業率は4割超にとどまる。この差の原因には企業の「偏見」もありそうだ。
そこで考えを改めてもらう活動が出てきた。
シニアの握力や歩く際の敏しょうさなどを測り、記憶力、読解力や計算力もテストし、
データで元気な姿を示すというものだ。 ~(以下、略)~ 』
う~む‥‥。(沈黙)
このコラムを読んで驚いたのは、「65~69歳の3人に2人は働きたい」と思っていて、
「実際の就業率が4割超もある」という事実です。
私に関して言えば、企業側が考えている
「仕事を任せるには体力や処理能力の低下が心配」がピッタリ当てはまっていて、
今の仕事を続けられるのは、せいぜいあと一年が限界ではないかと自己分析しています。
そして、今日の日経新聞には、
『ベーシックインカム、富の再分配問い直す』というタイトルの記事のなかで、
次のようなことが書かれていました。
『経済学者のジョン・メイナード・ケインズは
「労働時間は1日3時間になるだろう」と未来を予想したが、
そんな時代が近づいているのだろうか。
現実は厳しい。電話通訳1件100円、テープ起こし1時間1500円。
フリーの仕事を見つけるサイトでは、機械化の可能性がある仕事の賃金下落が激しい。
会社勤めは手厚い福利厚生を期待できるがフリーはそれもない。
生活は不安定になるかもしれない。安全網はどうあるべきなのか。』
日本のシニアは、「日常生活のお金には困らないけど、元気なうちは働きたいのか」、
それとも、「年金だけでは生活が厳しく、少々無理をしてでも働かざるを得ないのか」‥‥。
前者だとすれば、シニアの皆さんはお元気で、しかも志が高いのだと拝察します。
ただ、統計数字だけでは、「シニアの労働観(働くことの価値観)」の実態は、
分からないのかもしれません。