『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(大原扁理著:百万年書房)を読了しました。
まるで私のことを指しているような本のタイトルだったので、思わず購入してしまいました。
著者は、25歳から約6年間、東京郊外の小さなアパートで「隠居生活」をしていた人物。
「隠居生活」とは、「社会との関わりを最小限にして、基本的に週二日働き、
年収は百万円以下で暮らす」というものでした。
また、その「隠居生活」のアウトラインとは、①アパートは二万八千円の激安物件、
②三食自炊し、食費は一日三百円、③服は衣装ケースに入るだけ、④携帯は必要ない、
⑤冷暖房は使わない、⑥徒歩と自転車県内で生活する‥‥うんぬん。
‥‥ここまで読んで、今の私には到底無理だと悟りました。
なお、本書の帯紙には、「弱い私たちの、生存戦略。将来に不安や心配を感じている人へ、
もっと楽に生きられる思考法。」と書かれていました。
いえ、いえ、著者は本当は、とっても意志の強い方なのだと拝察します。
ちなみに、私が一番印象に残ったのは、第一章冒頭の次のような記述でした。
『はじめに明確にしておきたいのですが、お金について考えるとき、「自分がどうありたいのか」
という問題を避けて通ることができません。というか、もっと正確に言うなら、
お金のことは、「自分がどうありたいのかの問題」の一部でしかない、という気がします。
お金の不安をなくすことが目的なのではなく、お金の不安がなくなったそのとき、
自分がどんなふうに生きていくのか、ということのほうが重要だからです。』
はぃ‥‥、ごもっともなご指摘だと思います。
結論として、「楽に生きられる思考法」を身につけるのは、決して「楽ではなく」、
その前提として、確固たる「人生哲学」を持つことが必要であることを学べた本でした。
- 作者: 大原扁理,fancomi
- 出版社/メーカー: 百万年書房
- 発売日: 2018/07/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る