今日は仕事始めの日‥。今朝は寝床から起きるのがとても辛かったです。
また、年末年始で誰もいなかった事務所の建物は、すっかり冷え切っていて、
半端なく寒かったです。ただ、明日は土曜日なので、また仕事はお休み。正直、ほっとしています。
さて、昨日3日に産経新聞「正論」に掲載された
笹川陽平・日本財団会長の『中国古典にとらわれず新元号を』というタイトルの論評が、
「元号」というものを理解するうえで大変勉強になりました。
まず、元号は、歴史的に中国の漢籍に典拠を有する二文字熟語が使われてきたとのことで、
飛鳥時代の「大化」に始まり、現在の「平成」は247番目になるそうです。
ちなみに、明治から平成までの元号について、次のような解説がありました。
・「明治」は「易経」の「聖人南面して天下を聴き、『明』に嚮(むか)ひて『治』む」が由来。
「聖人が北極星のように顔を南に向けて政治を聴けば、
天下は明るい方向に向かって治まる」の意味。
・「大正」はやはり「易経」の「『大』いに亨(とほ)りて以(もっ)て『正』しきは、
天の道なり」が由来。意味は「天が民の言葉を嘉納し、まつりごと(政治)が正しく行われる」。
「百姓(ひゃくせい)『昭』明にして萬邦(ばんぽう)を協『和』す」が由来。
・「平成」は「史記」五帝本紀の「内『平』外『成』」(内平らかに外成る)と
「書経」大禹謨(たいうぼ)の「地『平』天『成』」(地平らかに天成る)が由来。
国の内外、天地とも平和が達成される、の意味。
笹川会長によると、これらの元号の条件は、
「国民の理想としてふさわしい意味を持つ」「漢字二文字」「書きやすい」
「読みやすい」など6項目で、それ以上の縛りはなく、中国の古典に典拠を求める規定もない
とのことでした。
そこで、笹川会長は、「新元号は中国の古典からの引用をやめ、
わが国独自の自由な発想で定めてほしく思う。それが新しい時代の元号の在り方であり、
国民の親しみにもつながる。」と述べられていました。
というのも、日本には優れた造語の歴史があり、
特に明治以降は約1千語もの和製漢語が中国に導入され現在も広く使用されているとのことで、
たとえば、中国共産党が使う「共産党、階級、組織、幹部、思想、資本、労働、企業、経営、利益」
なども、すべて明治時代につくられた和製漢語とされているそうです。
う~む、なるほど‥‥。日本人は造語に関しては卓越した才能があるのですね‥‥。
そうであるならば、笹川会長のご指摘のとおり、
新元号は中国の古典から引用する必要はないのかもしれないと、私も思うようになりました。
ただそうはいっても、既知の政党名を連想するような安易な造語では
格式や品性に欠けるおそれがあるのではないかと心配したりします。
日本には、古事記や日本書紀、万葉集といった古典が存在するので、
これらの古典から引用するのが望ましいのかもしれません。
新元号の予想をしてみたいけれど、残念ながら、私にはその才能がまったくありません。(トホホ)