しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「手抜き読書術??」を学ぶ

 『理科系の読書術~インプットからアウトプットまでの28のヒント』

(鎌田浩毅著:中公新書)を読了しました。鎌田教授の本らしく、実に面白くて、役に立つ内容でした。


まず、なぜこの本のタイトルに「理科系」という言葉がついているのか、

鎌田教授はその趣旨を、次のように述べられていました。

『世のなかには読書術について述べた本がたくさん出版されている。

 そのなかにはよく書かれている本もあるが、かなり面倒でとても実行できない方法が多い。

 その本の著者自身は大変几帳面だから実行できるのだろうが、

 「私には到底無理だ。」と思わざるをえない本が多数ある。

 これに対して、本書で提示したのは、ズボラで常に楽をしたがる人に向けて私が編みだした、

 理系的な手抜き読書術なのである。楽をするというのは、科学技術の基本にある考え方である。

 もともと理系人は楽をしたがる人種なのだ。

 しかも理系人は「システムで世界を見る」という考え方を持っている。

 換言すれば、楽のできるシステムとは何かをいつも模索しているのだ。

 したがって本書でもさまざまな方法を紹介したが、読者が現在持っているシステムよりも簡単で、

 しかも効果のあるものだけを使っていただきたい。』


う~む‥‥、鎌田教授はこのようにおっしゃていますが、

本書に書かれている内容をよく理解して、実行に移すことは、決して楽ではないと思います。

そして、本書各章の章扉の裏には、各章のポイントが4つの「キーフレーズ」で提示されていました。

後で「簡単に」全容が思い出せるよう、私も次のとおり書き残しておきたいと思います。


第1章 本と苦労なく向き合う方法
 ①途中で読むのをやめてもいい、②15分だけ集中して読む、③「2:7:1の法則で読む」
 ④情報は三つだけ取ればいい

第2章 難解な本の読み方
 ①「小見出し」ごとに読む、②解説と「あとがき」から読んでもいい、③「棚上げ法」で読む
 ④「不完全法」で読む

第3章 多読、速読、遅読の技術
 ①「速読」に向く本、向かない本がある、②遅読のススメ、③読み方を変えて三回読む
 ④続かないのは意志が弱いからではない

第4章 アウトプット優先の読書術
 ①「知的消費」と「知的生産」を分ける、②解ける問題から取り組む、③「割り算法」で読む
 ④持ち時間を意識して情報を収集する

第5章 本の集め方、整理の仕方
 ①少額でも本を毎月買ってみよう、②入門書は三冊手に入れる、③本は表紙とタイトルで選んでよい
 ④本の整理は美しさより使い勝手で

第6章 読書メモの取り方
 ①本は「文房具」として使い倒す、②探しものの無駄な時間を省く
 ③「単純作業」と「考える時間」を分ける、④楽をして成果を上げる理系的方法

補章 読まずに済ませる読書術
 ①本は容易に再入手できる、②「愛蔵」は「死蔵」かもしれない、③読書で「想定外」に対処する
 ④「今、ここで」を生きる読書術


ふぅ~、ここまで書いて疲れました‥‥。

とにもかくにも、いつも手元に置いておきたい本が、また一冊増えました。(苦笑)