今日13日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、
民族学者・赤坂憲雄さんの『歌って、怖いよね。本気にさせちゃうし。』という言葉で、
いつものように、鷲田清一さんの次のような解説がありました。
『歌は人のこころを揺さぶる。こころの底に溜(た)まった澱(おり)を洗い流してもくれる。
みなで歌えば気分はさらに高揚する。
歌は人の思いを過剰なまでに煽(あお)り、結びつけることもあれば、
人びとの「抵抗」の最後のかたちともなりうる。その揺れ幅が怖いと、民俗学者は言う。
昨日、一昨日と同じ詩人・和合亮一、アートプロデューサー・相馬千秋との鼎談
(ていだん、「現代詩手帖〈てちょう〉」3月号)から。』
う~む‥‥。歌って、そんなに怖いものなのでしょうか‥‥。
そういえば、昨日、自分の考えがまとまらないままこの日記を書き終えた後、
なにげなく口ずさんでいたのは、和田アキ子さんの『あの鐘を鳴らすのはあなた』でした。
♬ あなたに逢えてよかった あなたには希望の匂いがする
つまずいて 傷ついて 泣き叫んでも さわやかな希望の匂いがする
‥‥
あなたに逢えてよかった 愛しあう心が戻ってくる
やさしさや いたわりや ふれあうことを 信じたい心が戻ってくる
町は今 砂漠の中 あの鐘を鳴らすのはあなた
人はみな孤独の中 あの鐘を鳴らすのはあなた
町は今 眠りの中 あの鐘を鳴らすのはあなた
人はみな悩みの中 あの鐘を鳴らすのはあなた
この歌詞を創られたのは、あの阿久悠さんです。
阿久悠さんはこの歌詞を、どのような時代認識を持って創られたのでしょうか‥?
この国と私たちの行く末を、すでに見通されていたのかもしれません‥‥。
ちなみに私は、この歌詞の中では、「さわやかな希望の匂いがする」という言葉が大好きです。