しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

錯覚しそうな年度末

今日31日で平成30年度が終わり、明日から平成31年度がスタートします。

ただ、新元号が明日4月1日に公表されると聞くと、今日で「平成」が終わりそうな錯覚に陥ります。


さて、その「平成という時代」がまもなく終わりを迎えるに当たり、

昨日30日の朝日新聞デジタル版に、宮内庁参与(2006~15年)として天皇家の相談役を務めた、

政治学者の三谷太一郎・東京大学名誉教授さんに、「平成の政治をどうとらえるべきか」などついて

インタビューした記事が掲載されていました。

そのなかで特に印象に残ったのは、次のようなQ&Aでした。


Q 先進国の民主主義は、どこも壁にぶつかっています。

A 今日の民主主義の大きな特徴は、同質性を過度に重んじていることです。

  等しい者が等しく扱われることは重要ですが、その帰結として、

  等しからざる者は等しく扱うべきではない、という排除の論理が世界中に蔓延している。

  法学者のカール・シュミットは1920年代に大衆民主主義の問題を指摘して、

  トルコが、国内にいるギリシャ人を徹底的に国外に移住させて過度の「トルコ化」を進めていること、

  オーストラリアが望まない移民を法律で制限していること、などの事例を挙げています。

  このような一種の強制的同質化が現在の世界にも見られます。


Q 現在もまた、議会制民主主義の危機がいわれています。

A 重要なのは、個別の政党の影響力を拡大する以前に、

 「個々の政党の利益を超えた価値」を維持するメカニズムを構築することです。

  議会自体の持つ「公共性」を考えるべきでしょう。

  社会の中で注目されていない意見を、党派を超えて取りあげる。

  議会が選挙民を啓蒙する教育的機能も大事です。

  党派と関係なく議会が持っている「公共性」というものがないと、

  実は政権交代も円滑には進まないのです。


Q 新しい時代に、どのような思いを持っていますか。

A 首相統治に関連していえば、日本の政治社会を分断する要因を政権側が持ち出すことへの危惧です。

  憲法の基本的原則である平和主義を動揺させる9条改正問題を持ち出せば、

  日本の政治は不安定化するでしょう。

  欧州や米国で起こっているような社会の分断につながるリスクがあります。


う~む、なるほど‥‥。「過度な同質性の重視」、「一種の強制的同質化」ですか‥‥。

「民主主義」の難しさは、そういうところにあるのですね‥‥。

話は元に戻って、いよいよ明日、新元号が発表されます。

国民の多くが「漢字二文字」に、明日の日本と輝かしい未来を託すことになります‥‥。