今日の日経新聞オピニオン欄「Deep Insight」に掲載された
『昭和の教訓、生かす時代に』というタイトルの記事が勉強になりました。
記事によると、「先の戦争に日本が走った過程についての研究が進み、古い通説が覆されていて、
その意味で、昭和史は死なず、いまも生き続けているといっていい。」のことでした。
具体的には、次のような内容でした。
〇 なぜ1930年代に中国に侵攻したのか
通説 → 日本は1930年代、地方の農村が困窮し、この危機を克服するため、
経済権益を求めて中国に侵攻した。
新説 → 日中が全面戦争に入った37年ごろは日本の経済は絶好調であり、
38年も好況に沸いていた。日本の貧しさが日中戦争の原因ではない。
〇 なぜ1937年に日中全面戦争に転じたのか
通説 → 日中戦争は陸軍の主導により全面戦争に入っていった。
新説 → 対ソ戦へのそなえを優先したい陸軍中枢は当初、拡大に慎重だった。
むしろ、華中や華南に権益を持つ海軍が積極的に動いた。
〇 国民は戦争拡大をどう受け止めたか
通説 → 戦争に国民が抵抗しなかったのは、軍部に強制されたからだ。
新説 → 米国や中国への敵がい心からメディアや国民が戦争を積極的に支持するとともに、
戦時体制下で進められた健康保険制度の創設や小作農保護などの平等政策が、
国民に歓迎されていた面があった。
う~む、なるほど‥‥。確かに、中学・高校の歴史教科書で習ったことと違うように思います。
なお、記事の最後には、次のようなことが書かれていました。
『愚者は自分の経験に学び、賢者は歴史に学ぶ‥‥。
これを実行するには、最新の史実や歴史の解釈を知っていることが前提になる。
そうでなければ、誤った結論を歴史から導いてしまうだろう。』
歴史は不動のものだとする認識を、私も改めなければなりません。
追記
子供の頃に住んでいた、大津市での悲惨な事故の報道に接し、胸が張り裂けそうな思いです。
神様は、あまりにも不条理です‥‥。