しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

錨をおろす

今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、坂本千明さんの

『八年かけて少しずつ、たぶん私は諦めたのだ。人生の不公平を。いたたまれなさを。』という言葉で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


イラストレーターの随想「錨(いかり)」(筒井大介編「あの日からの或る日の絵とことば」所収)から。

 自分よりしっかり者だったのに震災直前、病で逝った友。被災を免れた青森の両親も、

 東京でともに余震に怯えた猫も喪って、足もとの覚束ない日々を送る。

 彼らの不在が静かに身に沁み入る中、独りこう思う。

 生きている限り「たとえじたばたしてでも錨は自分でおろすしかない」と。』


う~む‥、「錨を自分でおろす」ですか‥‥。

なんとなく、その言葉の重みが、私にも分かるような気がします。

でも、それは決して「諦観」というニュアンスだけでなく、「覚悟」とその先の「何か」を感じさせます。