しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

歴史を学ぶ意義

昨日この日記に書こうとしたテーマは、どうやら相性が悪そうなので書くのを止めにします。

ということで、日経新聞文化欄で連載中の『令和の知をひらく』から‥‥。

連載四回目の今日は、歴史学者・呉座勇一さんへのインタビュー記事で、

呉座さんは「歴史を学ぶ意義」について、次のように述べられていました。


・歴史を学ぶ意義は大きく2つある。1つは現代の相対化だ。

 かつて、いま我々がいる社会とは全く違う仕組みの社会が存在した。

 異なる常識で動いていた社会を知ることが、我々の価値観を疑ったり

 「絶対に変えてはいけないものなのか」と問いかけたりするきっかけになる。

 女性・女系天皇を巡る議論も、歴史を知ることなしにはできない。


・もう1つは、社会の仕組みが異なっても変わらない部分を知ること。

 親子や兄弟の絆、宗教的観念などは、時代を超えて今につながるものがある。

 この両面を通して、我々はこれからどう生きるべきか、ヒントを引き出せるのではないか。


・歴史を叙述すれば、どうしても物語に接近していく。

 だからといって、書きたいように書けばいいわけではない。

 正解がわからなくても「これはあり得ない」ということはある。

 間違った事実に基づく主張に対して、

 歴史的事実が誤っていると指摘するカウンターの役割を、歴史学者は担うと考えている。


・私が専門としている日本の中世は、権力の軸が見えづらい、多極的な社会だ。

 現代に通じるものがある。見通しが立たない時代こそ、リアルタイムの動きばかり追っていると、

 変化の波に翻弄されてしまう。歴史を振り返り、長期的な視野に立つことが大切だ。


う~む、なるほど‥‥。

なお、呉座さんは、歴史学の根幹は、「情報を分析し、価値あるものを選び出していく」という

史料批判」にあるとおっしゃっていました。


記事を読んで、学校の歴史教育の現場でも、

まずは「歴史を学ぶ意義」について、児童・生徒に教示すべきではないかと思った次第です。