しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

明るく澄んだ希望

NHKテレビテキストの100分de名著『アルプスの少女ハイジ~シュピリ』を読了しました。


テキストを読んで、娘が子どもの頃に、親子で一緒にテレビアニメを見たことを懐かしく思い出しました。

♬ くちぶえはなぜ とおくまできこえるの‥‥おしえておじいさん‥‥

テレビアニメの主題歌は、今でもしっかりと脳裏に焼き付いていて、この私でも口ずさむことができます。


今回、テキストを読んで、テレビアニメとは一味違う、その原作の奥深さを初めて知ることになりました。

その原作の魅力を、松永美穂早稲田大学教授のテキストの解説から、次のように抜き出してみました。


『‥‥そしてまたこの作品は、血のつながりだけではない、新しい家族を作っていく話でもあります。

 両親を亡くしたハイジをはじめ、妻と息子を亡くしたおじいさん、父親を亡くしたペーター、

 息子を亡くしたペーターのおばあさん、母親を亡くしたクララ、妻を亡くしたゼーゼマンさん、

 妻と娘を亡くしたお医者さんなど、家族を失った人々が、血縁の有無を超えて、

 強い心のつながりで新たに結ばれていきます。人と人とが出会い、支え合い、与え合う、

 人間同士の基本的なつながりから生まれてくる温かさが、この作品には満ちあふれています。』


『‥‥このように、「ハイジ」には、百四十年前の話であるにもかかわらず、

 現代にも通じる要素がたくさん詰まっています。

 そして何よりもそこには、人間の結びつきへの大切なヒントがあり、生きる力を取り戻すための、

 「太陽の光とアルムの空気」に似た、明るく澄んだ希望が含まれているのです。』


う~む、なるほど‥‥。テキストを夢中になって一気に読み終えた、その訳が見えてきました。

私もそこに、「明るく澄んだ希望」を見出したのだと思います。

「読んで本当に良かった。」と思える、価値ある一冊に出合うことができました。