しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

君がいるだけで‥‥。

昨日の日経新聞電子版「ヒットのクスリ」の

『レンタルなんもしない人~悩み、承認欲求は無限』というタイトルの記事を読んで、

いろいろと考えるところがありました。


記事で紹介されていたのは、一人分の「存在」を提供するというサービス。

「人はいるだけで価値がある」という考え方だそうです。

具体的には、記事の後半部分に、次のようなことが書かれていました。


『「明日はしんどい仕事があるので、どのタイミングでもいいので自分を思い出してほしい」

 「近々試験があるので(メールで)がんばれと言ってほしい」‥‥。

 関わりが薄い人の頼まれ応援でも人工知能(AI)にはない喜びが生まれるようだ。

 ちなみにツイッターで話題になったのは「愛犬と散歩中に偶然を装い、遭遇してほしい」

 「転勤するが、新幹線のホームで手を振ってほしい」。

 ホームでの別れは友人や家族が付き添うのが普通だが、「友人だとしんみりし過ぎてしまうので、

 関わりの薄い人がいい」という。まさにこれがなんもしない人レンタルの真骨頂。

 家族や友人は大切だが、濃い関係ゆえに頼みづらい、言いづらいことがあるのだ。

 実際に人に言えないことを話したいとの依頼も舞い込む。深い悩みほど家族や親友には話せない。

 「なんもしない」ので悩みを解決したり、助言したりしないが、一人で抱えるにはつらく、

 はき出すことで気が楽になるのだろう。趣味や愚痴など人生のワンシーンを聞いてほしいとの依頼も。

 友人などに人生を語ると「うざい」と思われそうで話しづらい。

 だが誰かに話すことで「自分が人生の主役」との願望が少し満たされる。

 人生がうまくいかない結果、誕生したなんもしない人レンタルは「無」がキーワード。

 それが生活者の思いを受け止める有用性につながった。「たとえば君がいるだけで心が強くなれること」。

 米米CLUBの大ヒット曲を思い出した。』


う~む、なるほど‥‥。「無」から「有」ですか‥‥。奥深いですね‥‥。

普段は、妻や娘から「うざい」と言われている私ですが、「人はいるだけで価値がある」との言葉に、

世間のどこかで役に立っているかもしれない自分を想像して、気持ちが前向きになれます。


ひさしぶりに、希望をつくるために不可欠な、「ゆるやかな紐帯」という言葉を思い出しました。