日経新聞では今月から、プロゴルファー、中嶋常幸さんの「私の履歴書」の連載が始まりました。
群馬県桐生市が故郷の中島さんは、昭和29年生まれで、私より一つ年上になります。
年が近いせいか、今日の次のような記述には、私も似たような体験があり、
親近感と懐かしさを覚えました。
『清水町の自宅から10分も歩けば桐生川や浅間山(せんげんやま)にぶつかる。
暖かい時期は川に潜って魚をとったり、
浅瀬で大きな石をぶつけて魚を気絶させつかまえる「ぼっかん釣り」。
ヤスでうなぎを突いたこともある。
浅間山は200メートル足らずで、子どもの脚でも30分ほどで頂上に着く。
山では木登りや、秘密基地をつくって遊んでいた。秋は山へキノコ狩りに連れて行ってもらい、
マイタケや一本シメジなどを入れた自家製麺のキノコうどんは懐かしいおふくろの味だ。
加山雄三さんの「若大将」シリーズや、私と同じ54年に誕生した「ゴジラ」を、
街の映画館で友達と一緒に見るのが楽しみで、駄菓子屋にもよく行った。
小4の夏の「前橋遠征」は鮮明な記憶が残っている。
常実くんと、たぶん1年生だった近所の小池くんを連れ、
20キロ以上も離れた前橋市内のプールへ、自転車で出かけたのである。
桐生の街を出る前に、小池くんは「もう帰ろうよ」と泣きだした。
なだめすかして何とか到着し、泳いだのは2時間ほど。
トラックやバスが走る車道を走り、往復8時間はかかっただろう。
桐生に戻ったときは真っ暗で夜8時頃(ごろ)。家族は大騒ぎになっていた。』
・加山雄三さんの「若大将」シリーズや、ゴジラやモスラの怪獣映画を、友達と一緒に観に行ったこと。
・近所の駄菓子屋さんで、3個で10円の「たこ焼き」を買って食べたこと。
・自宅から歩いて数十分の瀬田川に、小鮒釣りに行ったこと。
・夏休みには、父の勤務先の東レ石山工場の社員プールに、毎日のように泳ぎに行ったこと。
・弟と二人で近くの山に登って迷子になり、ようやくたどり着いたのが、 石山寺の裏山だったこと。
‥‥などなど、こうした子供の頃の、純粋に楽しかった思い出は、決して忘れることがありません。
それはまるで、さだまさしさんの名曲、「思い出はゆりかご」の世界です。