昨日9日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、ファッションデザイナー、堀畑裕之さんの
『「始末」とは、文字通り「始まり」と「終わり」のことである。
それは物の始まりと終わりに、自分が生活の中で責任をもつことだ。』という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『日本の衣服はほとんどが外国製。素材の自給率はほぼゼロ%。
買値よりクリーニング代の方が高いからと、新しい服に買い替えるような文化は異様だと、
ファッションデザイナーは言う。
自ら糸を紡ぎ、織り、縫い、ぼろになったら雑巾にしたり、裂いてよこ糸にしたり、
「大切に使い切る」ことからやり直したいと。「言葉の服」から。』
う~む、なるほど‥‥。
「始末」という言葉の持つ意味について、これまで深く考えたことがありませんでしたが、
『物の「始まり」と「終わり」のこと』だったのですね‥‥。
そして、鷲田さんの解説を読んで、
特にダウンジャケットなどは、クリーニングに出すよりも、ユニクロで買う方が安い場合もあるので、
私も着る物をあまり大切にせずに、安易に買い替えてきたように思いました。
また、そういえば子どもの頃、母は、破れた私と弟の服を何度も縫い直し、
最後は雑巾などにして再利用していたことを思い出しました。
「物の始まりと終わりに、自分が生活の中で責任をもつ」と「大切に使い切る」。
この二つは今の私にとって、とても「耳が痛い言葉」でした。