ビデオに録画していた「カンブリア宮殿」を見ました。
番組ゲストは、千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長先生でした。
麹町中学の改革は、「生徒が自分で考え、自ら行動できる自律した子供を育てる」ことを
最上位の目的として考えられているそうですが、その工藤先生の次のような発言が印象に残りました。
・親が言ったことで進路を変えたら子供は一生後悔する。
子供が後悔しない生き方を支援するのが大事
・「職業を選ぶ」ということは、自分の道から選択肢を捨てること。
何かを選ぶのだから捨てることになる。勇気を持って「捨てる」ことは大事な作業。
専門の世界でうまくいかず、違う道を選んだときにも、その能力が必ず生きる。
・「道を狭めた方が可能性が広がる」と知っているのに、大人は違うことを言う。
「狭めていいのか?」と。
その親が「子供の後押し」をするようになるのが麹町中学の良さ。
そして、村上龍さんの次のような編集後記がありました。
『「中間・期末テスト廃止」「宿題廃止」などが話題になって、工藤先生は、異色だと言われる。
だが、組織の歯車を育てるという明治以来の教育方針が、いまだ本流として残っているほうが異常だ。
わたしはそういった教育体制で育った。数少ない例外を除いて教師は敵だった。
だが現代、教師たちも疲弊している。どう生きればいいのか、規範もモデルもない。
ただし、重要なのは「どう生きるのか」ではなく、「生き延びるには何が必要か」だ。
工藤先生は、そのことを生徒たちに「教える」のではなく、「考えさせよう」としている。』
う~む、なるほど‥‥。
「記憶力重視の教育」を受けて育った私には、今でも「考える力」がなく、耳が痛いお言葉です。
ただ、村上龍さんのお言葉のなかで、「生き延びるには何が必要か」を考えるのは、
もちろん大切なことなのですが、「どう生きるのか」を真面目に考えるのも、
とっても大切なことではないかと思います。