しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

違う顔つきをする本

今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、モンテーニュ

『読書をしていて困難な個所にぶつかっても、いつまでも爪をかんでなんかいない。

 一、 二度、突撃をこころみたら、あとはほうっておく』という言葉で、

いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。


『気を張りつめているとぐったりし、判断力も鈍るから、と16世紀フランスの思想家は言う。

 いったん引き下がり、時間を置いていろんな角度から眺めなおすと。

 「エセー3」(宮下志朗訳)から。

 優れた本は読むたびに違う顔つきをする。読むほうの関心も移りゆくから。

 頁(ページ)が赤線だらけになって、同じ書物を3冊買ったことが私にはある。』


へぇ~、すごいなぁ~‥‥。

鷲田さんは、同じ書物を3冊も買ったことがあるのですね。

私は、「論語」については、「岩波文庫」、「中公文庫」、そして「講談社学術文庫」と

違う出版社の本を3冊所有していますが、

鷲田さんのように、同じ本を3冊も買うほど読みこなしたことがありません‥‥。

(夏目漱石の「こころ」、三島由紀夫の「金閣寺」、柴田翔の「されどわれらが日々」など、

 同じ本を2度、3度と読み直したことはあります‥‥。)


解説にあった「優れた本は読むたびに違う顔つきをする」というのは、けだし名言だと思います。

逆に言えば、読むたびに「違う顔つき」をするのが、名作と言われる本の必須条件なのかもしれません。