今日ようやく来年の年賀状を書き終えました。明日、投函します。
関係者の皆様、元旦に届かないかもしれませんので、なにとぞご容赦くださいませ‥‥。
さて、今日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、ラ・ロシュフコーの
『智は、いつも、情に一ぱい食わされる。』という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『人がなす推論や判断は、期待や恐怖、自愛や憎悪といった感情に知らぬまにバイアスをかけられ、
あらぬ方向に向かう。希望的観測というのはその典型だ。知性は撓(たわ)みやすいものなのだ。
だからだろう、知性はみずからに明確な根拠や厳密な方法を課してきた。
推論や判断は、性急にではなく丹念に、そして注意深くと。
17世紀フランスの公爵の『箴言(しんげん)と考察』(内藤濯(あろう)訳)から。』
う~む、なるほど‥‥。「推論や判断は性急にではなく丹念に」ですか‥。心したいと思います。
ところで、岩波文庫の『ラ・ロシュフコー箴言集』は、私の愛読書のひとつです。
コラムで紹介された箴言のほかにも、心にグサッと刺さる次のような言葉もあります。ご参考までに‥‥。
・我々の美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳にすぎない。
・我々は皆、他人の不幸には十分耐えられるだけの強さを持っている。
・小さなことに熱中しすぎる人は、概して大きなことができなくなるものだ。
・人は、決して自分で思うほど幸福でも不幸でもない。
・人間の幸不幸は、運命に左右されるとともに、それに劣らずその人の気質に左右される。
・沈黙は、自分自身を警戒する人にとって最良の安全策である。
・女を愛せば愛すほど、憎むのと紙一重になる。
・よい結婚はあるが、楽しい結婚はない。
・最高の才覚は、物事の価値をよく知るところにある。
・女は最初の恋人を長い間、確保しておく、二人目を作らない限り。
・頭のいい馬鹿ほど、はた迷惑な馬鹿はいない。
・軽蔑すべき人間に限って、軽蔑されることを恐れる。
・気質には、頭脳よりも多くの欠陥がある。
・情熱は、しばしば最高の利口者を愚か者に変え、またしばしば最低の馬鹿を利口者にする。
- 作者:
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/12/18
- メディア: 文庫