昨日の「日めくりカレンダー」で、2月23日の天皇誕生日は、
中島みゆきさん(1952年)と野口五郎さん(1956年)の誕生日、
そして、哲学者・池田晶子さんの命日(2007年)であることを知りました。
久しぶりに池田晶子さんの『暮らしの哲学』(毎日新聞社)を手に取って、
「春」の章を読み返してみると、
「言葉の力」というタイトルのエッセイに、次のような一節がありました。
他のページにはたくさん付箋が貼ってあるのに、ここには貼ってありませんでした。
『‥‥明日、私は、確実に死ぬ。こうわかった時、あなたはどうしますか。
まずはとにかく八方手を尽くして、何とか生き延びる手立てを探すでしょう。
生き延びようと試みるでしょう。
しかし、それは不可能だと、いかなる手立てももはやないとわかったら、どうしますか。
あなたは、必ず、「言葉」を求めるはずです。生死すなわち人生の真実を語る言葉、
正しい考えを語る正しい言葉を、必ず求めるはずなのです。
そうしてそれを古今の哲学書、宗教書、聖書や教典の中に探し出そうとするでしょう。
あるいは、誰でも誰か知っていそうな人に尋ね、聞き出そうとするでしょう。
苦難や危機に際して人が本当に必要とするものは、必ず言葉であって、金や物ではあり得ない。』
う~む‥‥、危うくこの「言葉」に気がつかずに、このまま残りの人生を生きるところでした。
こういうことがあるから、手元にある本を、私はなかなか処分することができません。
しかし、またその一方で、人生の励みとなる貴重な言葉は、
できるだけこの日記に書き残すことによって、「断・捨・離」にも努めたいと思います。