先月27日の朝日新聞一面コラム「折々のことば」は、池波正太郎さんの
「上出来。それでいいよ。一つだけでもいいところがあれば充分だ。」という言葉で、
いつものように鷲田清一さんの、次のような解説がありました。
『作家の若い友人が、結婚したい女性がいるがいま一つもの足りないとこぼす。
気に入っているのはどこかと訊(き)くと、「約束の時間を、きちんとまもること」だと。
ならば大丈夫と、作家は断言する。誰とて身仕度(みじたく)には時間がかかる。
それでも時間を守るのは相手の時間を大切に思うからだと。
ちゃんと「段取り」をつけられる人は信じてよい。随想集「芝居と映画と人生と」から。』
う~む、なるほど‥‥。「時間を守るのは相手の時間を大切に思うから」ですか‥。
「段取り」をつけられる人は信じてよいというのは、誠にそのとおりだと思います。
私は取柄が何にもない人間ではあるけれど、「時間を守る」ことに関してだけは、
亡き母の教えもあって、子どもの頃から心掛けてきたつもりです。
「これからも心したい」と決意を新たにさせる、短いけれど奥の深い言葉とその解説でした。