「古関裕而~流行作曲家と激動の昭和」(刑部芳則著:中公新書)を読了しました。
小学生の頃、映画館で聴いた「モスラの歌」、
テレビから流れていた東京五輪行進曲「オリンピック・マーチ」、
大学生の頃、神宮球場で肩を組んで歌った母校の応援歌「紺碧の空」、
いずれも私の人生に彩りを添えてもらった曲です。
戦時歌謡、流行歌、スポーツ音楽と、数々の名曲を残された古関さんですが、
世間に支持されるヒット曲が生まれるまで、苦悩した日々を過ごされたことを、
本書を読んで初めて知りました。
「人に歴史あり」と言いますが、古関さんの人生は、「昭和史」そのものだと思いました。
最後に、本書で特に印象に残った古関さんの次の言葉を、この日記に書き残しておきます。
『私には私自身の日本全国音楽地図がある。
無数の山、また数え尽くせないほどの幾筋の川、そして湖沼も。
町や昔ながらの村もある。人もいる。祭りもある。
それらを思い浮かべただけでも、私は音楽で満たされる。
日本列島そのものが、音楽になって響いてくる。 ~ (中略) ~
情景をしっかり思い浮かべさえすれば、私は新しい音楽が開けるのだ。
これこそが、この道一筋に歩んできた私に与えられた特権ではないかと思う。』
- 作者:刑部 芳則
- 発売日: 2019/11/19
- メディア: 新書