しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

自信の相続

今日の日経新聞「春秋」には、次のようなことが書かれていました。

『就職活動で複数の会社から内定を手にする学生を「内定ゲッター」と呼ぶそうだ。
 その一方で、卒業間際まで就職先探しに奔走する学生がいる。
 自己PRの書き方に面接の想定問答。
 そうした型にはまった技術とは別の鍵が道を分ける。
 近著「世代論のワナ」でそう説くのは人材育成コンサルタント山本直人氏だ。
 鍵の一つが親。
 内定ゲッターや優秀な若手職員は皆、伸びやか。
 その人柄は親が子に過度なダメだし、
 つまり欠点の指摘をせず信頼して育てた結果だとみる。
 子を信じるには親に自信が要る。自信に満ちた親から自信に満ちた子が巣立つ。
 こうして目に見えない「自信の相続」が進行中だと山本氏。
 〜(中略)〜
 人材の流動化や多国籍化でコミュニケーション能力の高い社員を企業が求め始めた。
 伸びやかな人が引き手あまたなのもそのためらしい。
 そもそも若者が生き生きしていない社会の未来は暗い。
 彼らが自分に自信を持てるよう、学校や職場は不要なダメだしをやめて、
 「勝つ」体験を積ませてはどうだろう。』

このコラムを読んで、わが娘が就職活動をしていた頃を思い出しました。
娘は、大学二年生の時に、約一年間留学をしていた関係で、
学業から就活への切り替えが難しかったでしょうし、
そもそも四年間で卒業できるのか、親としては大変心配していました。

ところが、親の心配もよそ事のように、
娘は大学三年生の時にはインターンシップに挑戦、その成果を学内で発表したりして、
就活もなんとか乗り切って内定を得、地元企業に無事就職することができました。
その娘も今は育児の真っ只中です。

娘が東京で就活している間は、
親として口を挟むこともしないかわりに、援助することもできませんでしたが、
娘の携帯電話に「今日の言葉」というタイトルで、
私の気に入った名言名句をメールで毎日のように送り続けたことを思い出します。

どんな言葉(名言名句)を送ったか、今ではすっかり忘れてしまいましたが、
言葉を送った本人が、その言葉に一番勇気づけられたのかもしれません。

なお、「人事部は見ている」の著者、楠木新さんは、
月刊誌「Voice」の2月号で、
「シューカツは最後の子育て」と題し、次のように述べられています。

『もう一度いう。
 子供がいま不安を抱えて船出をしようとしているのである。
 いまこそ関心を抱かなくて親の務めを果たしているといえるのか。
 子供の成長する姿をみることができるチャンスが目の前にある。
 これを逃せば、もう好機は巡ってこない。
 「最後の子育て」なのだ。
 こんな、またとない機会を逃す手はないと私は思うのである。』