少々マニアック(?)で、しかも旧聞に属する話で恐縮ですが、
財務総合政策研究所次長の田中修さんが、財務省の広報誌「ファイナンス」に、
「世界経済危機を契機に資本主義の多様性を考える」という論文を
シリーズで寄稿されています。
第22話(2011年11月号)は、「日本への視点(12)〜「常識」と「空気」〜」でした。
山本七平の「常識の研究」(文春文庫、1987年)と
「空気の研究」(文春文庫、1983年)を参照しながら、
山本七平の日本人論を紹介されています。
なかなか面白い論文なので、
詳しくは原文を参照(HPにUPされています。)していただくとして、
田中次長の論文の最後の部分の「日本人への説得」に妙に納得しました。
『「空気の研究」の最後で、
山本は中根千枝の「日本人は熱いものにさわって、
ジュッといって反射的にとびのくまでは、それが熱いといくら説明しても受けつけない。
しかし、ジュッといったときの対応は実に巧みで、大けがはしない」
という言葉を紹介している。
〜(中略)〜
山本は、「空気」に支配されているとき、日本人は論理的説得では心的態度を変えず、
ことばによる科学的論証は無力となると指摘する。
もし今も日本人がそうだとすれば、
例えば社会保障・税一体改革の必要性を
制度の全面破綻の前に日本国民に納得してもらい、改革を早急に実行に移すことは
並々ならぬ決意・根気と努力を要するということになろう。』
う〜ん、なるほど、なるほど‥‥。
ということは、社会保障・税一体改革について、
日本では、時の政府・与党がいくら国民に説得してみても国民は聴く耳を持たず、
財政破綻をしてギリシャのようになって初めて改革が成し遂げられるのでしょうか?
「この道はいつか来た道」‥‥かも?
大ケガをしなければよいのですが‥‥。