今日のmsn産経ニュースの「正論」は、
雪斎先生こと、櫻田淳東洋学園大学教授の「マニュフェスト導入は誤りだった」でした。
今日の雪斎先生の論評は、
以前に先生ご自身のブログでも書かれていた内容でした。
結論を先に紹介しますと、
「自然災害の博物館」と呼ぶべき宿命を背負った日本という国に、
「自然災害が滅多に起きない国」英国で生まれた「マニフェスト」選挙手法を
導入したことは誤りであったというものです。
以下、論評のポイントは次のとおりです。
・自然現象に伴う「突発事態」が頻繁に起こる日本において、
いくら綿密な「マニフェスト」を用意したとしても、
「突発事態」が起これば、それへの対応が全てに優先される。
・そもそも、「統治」の本質とは、平時において、
決められたことをどれだけ円滑に処理できるかということではなく、
有事において「突発事態」をどのように管理できるかということでしかない。
そして、雪斎先生は、今日の論評においても
いつものように含蓄のある言葉を、次のとおり紹介されています。
『ジョン・メイナード・ケインズ(経済学者)は、
「一つの土壌で育った植物を他の土壌に移植しようとすると、
その植物は育たないどころか、その移植先の土壌を壊してしまうことがある」
という趣旨の言葉を残した。』
『故に、英国に倣って導入された「マニフェスト」選挙手法も、
そうした「他の土壌に移植された植物」の類であったのではないか。』
相変わらずの鋭い切れ味に、感嘆してしまいます。
確かに、私たちは「マニフェスト」に示された政策が
実行できたか実行できなかったかに注目してしまいますが、
本当に大切なことは、「マニフェスト」に記載されていないことなのかもしれません。
やはり、「大切なものは、目には見えない」のでしょうか?