4月20日付けの「溜池通信」の特集記事は、「世界経済、20年後への考察」でした。
記事の中で参考になったのは、「死命を制するのは高齢者マネー」の記述です。
「かんべえ」さんは、先進国経済の成長力が低下した原因を、
度重なるバブル崩壊にあるとしつつも、
その背景にあるのは高齢者マネーの増大ではないかと指摘されています。
「かんべえ」さん御自身が、記事の中でアンダーラインを引かれた部分を抜粋すると、
次のようになります。
①高利回りの投資先にマネーが集中するので、バブルが起きやすくなる。
②問題の本質は「フロンティアの枯渇」にある。
③カネを借りてくれるのは政府部門だけ。
④政府は高齢者を守るためにカネを使い、そのカネを高齢者から借りている。
⑤要は政府と高齢者が、福祉と負担にしかるべき「折り合い」をつけられるか、
に懸かっている。
これだけで、「かんべえ」さんの指摘を理解できる方は、よほどの経済通だと思いますが、
そうでなくてもなんとなくニュアンスは伝わるような気がします。
でも私自身が、後でこの日記を読み返したら、たぶんチンプンカンプンだと思うので、
上の④番と⑤番との間の大事な記述を、次のとおり引用しておきます。
『政府がカネを借りるときには、国債を発行するわけだが、利回りが低くなる。
なおかつ、ギリシャのようなソブリンリスクもつきまとう。
しかも大いなる皮肉は、先進国政府が財政赤字に苦しむ最大の理由は、
社会保障費の増大にあるということだ。
政府は高齢者を守るためにカネを使い、そのカネを高齢者から借りているという構図である。
どこの国でも大同小異だが、貯蓄の大部分を保有しているのは高齢者なのである。
それでは政府債務の問題は、向こう20 年にどのような結果をもたらすのだろうか。
「政府債務がGDP 比何%になると財政は破綻する」式の議論は、
あまり当てになるとは言えない。
この問題のフロントランナーである日本が、いまだに超低金利が続いていることを考えれば、
むしろ政府債務と国民貯蓄のバランスで決まると見るべきであろう。
さらに言えば、「重要なのは財政収支よりは経常収支」と考える方が現実的かもしれない。』
これで、後で読み返してもおよその趣旨は理解できることでしょう‥‥。
それにしても「かんえべ」さんの解説は、いつも分かりやすくて勉強になります。