しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

民主主義の健全性

今日の日経新聞「経済論壇から」は、
福田慎一東京大学教授の「ユーロ防衛へ統合強化を」でした。
いつものように海外を含めた数名の識者の論評を紹介されていますが、
その中でも二人の識者の論評が参考になりました。

『市場は規律が緩んだ経済政策の矛盾を突き、
 国債金利上昇という形で国民国家に襲いかかることは常に忘れてはならない。
 中央大学教授の富田俊基氏(週刊エコノミスト6月19日号)は、
 17世紀以降の国債の歴史を振り返り、国債の価格は国の信用力であり、
 それをないがしろにした国家は崩壊への道をたどったと警鐘を鳴らす。
 国債は民主主義の健全性を映すという同氏の主張は傾聴に値する。』

『日本でも、消費税の増税に関連して、
 社会保障と税の一体改革に関する議論の中で、
 増税は景気を悪化させるだけという意見は依然として根強い。
 しかし、少子高齢化が急速に進展するなかで、
 過去15民間で累積債務残高がほぼ倍増した財政状況をこのまま放置するわけにはいかない。
 東京大学教授の加藤淳子氏(本紙6月5日付経済教室)が指摘するように、
 増税は景気にマイナスと懸念しすぎて先送りし、
 財政赤字が日本経済や政府の信用を失墜させるまでに至れば、
 その悪影響は増税による短期的な影響を大きく上回る。
 民主主義の健全性が、日本でもいま強く問われている。』

加藤淳子教授の論評は、以前、この日記でも紹介させていただいたところです。
いよいよ明後日26日には、一体改革関連法案が衆院で採決されます。
消費税増税に反対する国会議員の先生方は、
富田教授や加藤教授の論評に対して、どのような反論をされるのでしょうか?
福田先生が指摘されるように、「民主主義の健全性」が今問われていると思います。